ボーリングの記憶

ボーリング場に一度でも足を運んだことがある人は、横長の空間、
頭上のモニター、ボールで弾かれたピンが飛ぶ時の高い音など、
あの独特の雰囲気が、頭に焼きつくことだろう。
今から25年前、中学生だった頃に友達に連れて行かれてボーリング場に
入った時の、驚きと興奮が入り混じった感覚を今でも鮮明に覚えている。
初めてのプレイで、スコアはもちろん100にもいかなかった。
気合を入れれば入れるほど、空回りしてガーターに吸い込まれていく。
でもそれでも楽しくて仕方がなかった。
一番記憶に残っているゲームは、高校生の放課後、何の気なしに遊びに
行った時のこと。
本当に偶然に、スタートから連続してストライク。
その頃の平均スコアは130前後だったから、これは運以外の何物でもない。
ストライクが3回、4回、面白いように連続する。
いつもなら、まぐれはそこで止まるのだが、その日は何か神がかって
いたようで、止まらなかった。
5回、6回、だんだんと緊張してくる。
まったくもって次元の違う話だけれど、
「ノーヒットノーランを続けるピッチャーってこんな気持ちなのかな?」
なんて思ったりもした。
そして7投目。
さすがに場内の人が、雰囲気に気づいて一人また一人と集まってくる。
当時、内気だった自分はすごいプレッシャーで、むしろもうストライクが
途切れて、早くこの変なプレッシャーから解放されたいとだけ願っていた。
何も考えずに投げた一投は、またしてもストライク。
場内にどよめきが起きる。
一方で注目されるのが嫌だった自分は喜べないでいた。
しかし、運が続いたのもここまで。
8頭目はもう投げ方もバラバラだったのだろう。
いつもと同じ、隅を残した8本。
そこからは、どっと疲れが出たのかスペアも取れず、終わってみれば
同じ数字が横に並んだ222というスコア。
その時はもう早く終わってみんなどこかに行ってくれないかと思って
いたのだけれど、20年近くたった今でもこうやってあの日の様子を
はっきり覚えているのだから、面白い。
それどころか、いまだったらあんな緊張せず、もっと楽しめたのにと
ちょっともったいない気分になってしまう。
ボーリングは人気が衰えつつあるというが、なくなるということはない。
私の子供は、今もテレビゲームででボーリングをやっている。
私が初めてボーリングをしたのは中学生。
一方彼らは小学校に入る
前から「ボーリング」という単語を知っているのだから、すごいものだ。
もう少し成長したら、ボーリング場に連れて行って、リアルの世界を
教えてあげよう。
ゲームのコントローラーとは違って、初めてボールの
重さを知った時の表情を見るのが今から楽しみだ。

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